
ラウンド・デザインのフレーム(丸メガネ)は古来、メガネフレームが作られた初期の頃は主流のかたちでした。
現代のように枠にあわせてレンズを削るのではなく、昔は丸いレンズを削らずにそのまま枠に入れるという方式でメガネができていたためです。
明治・大正時代~昭和初期に活躍した歴史上の人物はほとんど丸メガネですので、なんとなくノスタルジックな感じもしますし、
60年代に平和のシンボルとして流行したり、今でもテレビでよく見る海外・国内の著名人・有名人の中には丸メガネを愛用している方が多数いらっしゃいます。
有名なところでは、
大江健三郎などの作家陣、
坂本龍一等のアーティスト、
笑福亭鶴瓶、
綾小路きみまろ等の芸能人がいます。
海外ではジョン・レノン、
ジャン・レノ、
スティーブ・ジョブズ
など芸能界・経済界の大御所のほか、映画の登場人物では
ハリー・ポッターなんかも丸メガネです。
当店の古くからのお客様の中にも、丸メガネを愛用されている方が何人かいらっしゃいます。
「今度、丸っぽいメガネが入荷しました。」とお知らせしても、あれこれ迷った挙句、正円の丸メガネに落ち着きます。
備前焼作家のNさんもそのお一人です。
Nさんは現在「TRAD-THRTY 9-04 F-19」というフレームをご愛用中。作品作りに対するこだわりと同じように、
丸メガネに対しても並々ならぬこだわりをお持ちで、とてもよく似合っていらっしゃいます。
ところが、多くの眼鏡店の店頭ではまん丸のフレームをあまり目にすることがありません。
現代のようにあらゆる形のフレームが売られている中では、丸メガネはいわゆる個性的なフレームのカテゴリになってしまっていて、取り扱う店も少ないのが現状のようです。
ただ単に丸メガネをかけても誰にでも似合うわけではなく、いわゆる「のび太くん」のような漫画顔になるか、お笑い芸人風になってしまうこともよくあります。
それではどうすれば、国内・海外の著名人のように「粋に」「オシャレに」「知的に」丸メガネを使いこなせるのでしょうか。
実は 丸メガネはとてもバランスの重視されるフレームです。
レンズの大きさ、顔の大きさ、目と目の距離などが緻密に計算され、バランスをとって調和させることが大切です。
ですので、「有名人●●の使用フレーム!」というものを購入したとしても
その有名人の方とお顔の形や顔のパーツ・バランスなどが違えば、せっかく買ったおしゃれなフレームもまったく似合わないということになってしまいます。
そのため、当店のような「丸メガネ研究会」 会員店では多数のフレームを取り揃え、似合う、似合わない、という観点だけでなく、
目の度数やフィッティング、その他の技術的な側面も考慮した丸メガネ作りを心がけております。
丸メガネはそのレンズの特性から、特に強度近視の方にもおすすめのフレームになります。
丸メガネは、一般的に玉型が小さく、鼻幅(左右のレンズ間の距離)が長いという特徴があります。
レンズの光学中心と瞳孔の中心が一致しやすく、レンズの光学中心から端までの距離が短くて済みます。
これは強度近視用ウスカルフレームの概念と一致します。
最新作の丸メガネ(ThinKing)の玉型の横幅サイズ(円の直径)はたったの39㎜しかないのですが、それでも縦幅が同じだけあるのでさほど小さくは見えません。
そして、39㎜という幅により、たいていのメガネでは最もレンズの厚みが出てしまう耳側が最小限度の厚みですみます。
強度近視の方でも、レンズのウズの目立ちが少ないので、たいへん好適です。
また、ただたんに小さいレンズ幅だと遠近両用のような累進レンズは適応しない場合もあるのですが、 丸メガネは縦幅もしっかりありますので、遠近両用・中近両用レンズも無理なくはいります。
丸メガネのラインナップについては、丸メガネ研究会のホームページもご覧下さい。
